宅建は独学で十分合格できると言われており、ボク自身も独学で合格できたいまは共感できます。
とはいえ、
- 独学で合格した人はどんな勉強をしていたの?
- 自分の勉強方法が合ってるか不安。。
といった疑問やお悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
ボク自身、年1回しかない試験に独学で挑むのは不安でした。
そこで本記事では、2021年6月から独学で勉強し、同年10月の宅建試験に合格した体験をもとに以下のことをお伝えしていきます。
- 宅建の独学勉強方法
- 宅建独学者に知っておいてほしいこと
- 独学での勉強に不安を感じる場合の対処法
問題集に残していたメモや、解答の仕方など、実際の画像をお見せしながら丁寧にお伝えしていきます。
この記事を読むことで、宅建の具体的な勉強方法を知ることができますので、独学合格を目指している方はぜひご一読ください。
宅建独学勉強の全体像
まずは、勉強を進める流れをおさえておきましょう。
以下は宅建を独学したときの大きな流れです。
- 基礎を学ぶ
- 知識の幅を広げる
- 苦手分野を得点源に変える
- 基礎知識の総復習
ボク自身は2回目の受験でしたが、1回目は6年前でほとんど勉強せずに受けたので撃沈でした。
2回目はほぼ知識ゼロからのスタートだったので、初めて勉強する方も勉強の全体像をつかむ参考になるかと思います。
それでは、上記の順番で勉強方法を紹介していきます。
宅建独学勉強法①:基礎を学ぶ
まずは、分野別過去問題集で基礎を作っていきます。
ボクは「わかって合格る」シリーズの分野別過去問題集を使っていました。
のちほど紹介しますが、苦手分野を得点源に変えるフェーズでも活躍するので、分野別過去問題集は用意して損はありません。
分野別過去問題集への取り組み方の流れは以下の通りです。
- 流し読みする
- 実際に解いてみる(余裕があれば2周する)
分野別問題集を流し読みする
1周目は宅建の雰囲気を知るためにざっと流して見ておきましょう。
いきなり理解しようと思って読み込まなくても大丈夫です。
- こんな感じの用語が出てくるんだなぁ
- 宅建はどんな出題の仕方をしてくるんだなぁ
と、ぼんやり知っておくレベルで読んだ内容を忘れていても問題ありません。
なんとなくでも全体を見ておくことで、問題を解いたときに関連知識として点と点が繋がり、理解しやすくなることもありますし、疑問を解決できたときに記憶も定着しやすくなります。
問題を解き始めたときに「そう言えば流し読みしたときに書いてあったかも、ココのことなんだな〜」となるくらいの感覚で読んだらよいので、読むのが早い方だと2時間もかからないかもしれません。
分野別過去問題集を解く(1周目)
流し読みが終わったら、以下の流れで実際に分野別過去問題集を1周してみましょう。
最初は知識がないためほとんど解けないかもしれませんが、基礎を作っている段階なので問題ありません。
「これかな?」と思う選択肢を選んだらすぐ解答を見ていきましょう。
STEP2はとても大事なポイントです。
単に正解か不正解かを確認するだけではなく、なぜ正しいのか or 誤っているのかをテキストで読んで確認していきましょう。
このとき、解答の余白に対応しているテキストの解説ページをメモしておくと、2周目以降に同じ解説ページを探す時間を省くことができます。
ちなみにボクは1周目を解くときにメモしていなかったので、2周目で同じところを調べるのに時間がかかってしまいました。
1回テキストを読んだだけで理解を定着させるのは難しいことです。
これから何回も問題を解きながら知識を定着させていくので、思うように理解が進まなくても焦らずに、少しずつ知識を増やす意識でざくざく進めてみてください。
分野別過去問題集を解く(2周目)
1周目が終わったら、2周目に入りましょう。
2周目は解ける問題も出てくると思いますが、忘れてしまった問題があってもOKです。
理解できていないものは、テキストに戻りながら、少しずつ少しずつ知識を増やしましょう。
また分野別過去問題集の2周目では、問題を解いたタイミングで各選択肢にABCでランク付けしておくことをオススメします。
理由は、今後同じ問題に取り組む際にBやCといった弱点を集中的に復習しやすくなるからです。
意味は以下の表を参考にしてください。
ランク | ランクの意味 | 2回目以降に解いたあとの対応 |
---|---|---|
A | 理解した。 間違えることはない。 | 解説を読まなくてOK。読んでもサラッと。 忘れていたときはBランクに変更。 |
B | いまは理解できているけど、 次に出題されたときは忘れてるかも。 | 解説を読んで忘れない自信がある場合はAに変更。 思い出せなければテキストを読んで理解する (この場合はBを維持 or Cに変更) |
C | 自信はない。 次に出題されたときに忘れている可能性も高い。 | 解説を読んで内容を思い出せればBに変更。 自信がなければCを維持。 |
分野別過去問題集を2周したら年度別過去問題集へ
宅建は重要論点が繰り返し出題されているため、分野別過去問題集を2周した段階でも年度別の過去問では6割ほど解けるようになります。
ボク自身は分野別問題集が終わったタイミングで模試も受けたのですが、不完全であやふやな知識でも6割は正解していました。
正確さを高めていく必要はありましたが、知識ゼロの状態から6割正解できるようになったことは自信になりましたね。
といったところで、分野別過去問題集が2周終わったらいったん終了し、年度別過去問題集でさらに多くの問題に触れていきましょう。
宅建独学勉強法②:知識の幅を広げる
基礎作りを終えたら、年度別過去問題集でいろいろな出題パターンに触れ、知識を広げるフェーズに入ります。
以下の順番で紹介していきますね。
- 勉強の流れ
- 取り組み方のコツ
- 取り組み始める時期
年度別過去問題集を使った勉強の流れ
勉強の流れは分野別過去問題集の取り組み方と同様に
- 問題を解く
- 解答を読んで疑問点をテキストで解消する
- 知識を広げる
を繰り返していきます。
年度別問題集を解くときは、実際の試験時間と同様に2時間を計りながら解くのがオススメです。
2時間以内に解けるか、またどの科目でどれくらいの時間を使うのかを知ることができるからです。
特に1周目は問題を解くことに時間がかかると感じるかもしれませんが、時間配分を考えることにもつながるので、まとまった時間を確保して解ける場合は試してみてください。
解き終わったら分野別過去問題集のときと同様に、解説を読んで分からない問題はテキストに戻って復習し、理解を深めましょう。
分野別過去問題集を解いたときと同様に、解説の余白にテキストの参考ページをメモしておくと、今後繰り返し問題を解いたあとにテキストの対応ページを探す手間が省けて効率よく勉強できます。
年度別過去問題集に取り組むことで、各分野の出題頻度や宅建試験に出題される50問がどのように構成されているかが分かってきます。
宅建に関する知識を広げると同時に、宅建試験自体の特徴もつかんでいけるといいですね。
年度別過去問題集は、あなたが使っているテキストとセットで売られていると思いますので、同じシリーズで用意して取り組んでみてください。
独学で受かった人の宅建テキストは?【初心者は2冊用意するのがおすすめ】 宅建を独学するのにおすすめの問題集は?【分野別と年度別の過去問を用意しよう】ちなみに、教材によっては12年分や15年分の過去問がありますが12年分を完璧にできれば合格は十分目指せます。
年度別過去問題集の取り組み方のコツ
ボク自身が年度別過去問題集に取り組むときに工夫したことを2つ紹介します。
- 記号を使って解答する
- ツッコミを入れながら解答する
ここまで意識して過去問に取り組んでいる方は多くはないと思いますので、参考にしていただけたら嬉しいです。
年度別の問題を解く際に、各選択肢に◯×?△の記号を使いながら問題を解いていました。
理由は記号を残すことで、復習するときに理解度を思い出すことができるからです。
2時間近くかけて50問も解いていると、答え合わせするときに、自分がどの程度の精度で正誤を判断したのかを忘れてしまうことがあります。
しかし、記号を使うことで選択肢ごとの理解度がある程度分かるため、復習するときに役立ちます。
それぞれの意味は下記です。
記号 | 記号の意味 |
---|---|
〇 | 選択肢が正しいと確信している |
× | 選択肢が誤っていると確信している |
? | 「~かも?~だと思う」のレベル感 〇? or ×?のように使う |
△ | 選択肢の正誤が判定できない |
ボクは上記の記号と合わせて、解答するときに正誤を判断した理由やツッコミ、疑問などをメモしていました。
誤っている選択肢には「そこは〇〇な理由で違うんじゃない?」といったようにツッコミを入れる感じですね。
各選択肢の正誤の理由を簡単にでもメモしておくと自分の理解度が分かりますし、疑問に感じたことも答え合わせのときに思い出すことができます。
また、選択肢にABCのランク付けをする際の目安にすることもできるので便利です。
【勉強用ノート公開】宅建を独学合格できたノートの使い方を紹介します年度別過去問題集に取り組み始める時期
年度別過去問題集には、試験の2カ月前には取り組み始めると余裕を持つことができると思います。
2020年、2021年はコロナウイルスの影響で10月と12月に試験が分かれていましたが、10月試験の場合は8月、12月試験の場合は10月には年度別過去問題集に取り組み始めたいですね。
ボク自身は10月試験でしたが、9月に取り組み始めました。
結果的に合格することはできたものの、当時はもっと早く取り組み始めるべきだったと焦っていましたね。
余裕をもった計画を立てることの大切さを痛感しました。
宅建独学勉強法③:苦手分野を得点源に換える
間違える回数の多い苦手分野は、頻出問題であると同時に苦手分野ということなので、対策して得点源にしていきたいポイントです。
以下で紹介することを抑えて、着実に得点源にしていきましょう。
- 苦手分野対策の流れ
- 苦手分野対策のコツ
それでは、紹介していきます。
苦手分野対策の流れ
3つの手順で苦手分野を得点源にする方法をお伝えしていきます。
- 苦手分野を洗い出す
- 苦手分野を分野別過去問題集で解く
- アプリで苦手分野を解く
まずは、間違う頻度の高い苦手分野を洗い出します。
ボクは年度別過去問題集を解き終わったあと、解けなかった問題を年度ごとにエクセルで記録していました。
この記録を年度別過去問を10年解いたあとに集計してみると、得意分野と苦手分野が数値で明確に分かります。
以下の画像はボクが年度別過去問題集を1周した時点で、分野ごとに間違えた回数を多い順に並べ替えた例です。
1周目時点では、法令上の制限の「建築基準法」が苦手ということが分かります。
出題頻度が高い分野は、宅建において基本的かつ重要な分野ということです。
つまり、確実に解ける必要があります。
苦手分野があるということは、伸びしろがあるということなので優先的に取り組んでいきたいですね。
苦手分野の管理は、エクセルでもGoogleスプレッドシートなどでも問題ありません。
洗い出した苦手分野は、まず分野別過去問題集を解き直すことで基礎から見直していきます。
分野別過去問題集の使い方はこれまでの解き方と同じです。
- 問題を解く
- 解答を読んで疑問点はテキストで解消する(ランクもつける)
苦手分野の対策なので、理解を意識して丁寧に取り組んでみてください。
アプリを使い、苦手分野だけを解いていきます。
宅建のアプリは何を使っても大丈夫ですが、分野別に取り組めるアプリを使ってください。
ボクは有料(といっても300円ほど)ですが、スタケンを使っていました。
【独学宅建士が教える】スマホの過去問アプリを活用した勉強方法年度別過去問題集を2周、3周したタイミングにも上記の手順で、集計し直して取り組んでみてください。
苦手分野の成長を実感できたり、1周目でまぐれ当たりしていた苦手分野が新たに浮き彫りになったりします。
苦手管理をする具体的な方法は「【独学を効率化】宅建の苦手分野を管理するべき3つの理由と具体的な管理方法」の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
【独学を効率化】宅建の苦手分野を管理するべき3つの理由と具体的な管理方法苦手分野の管理ツールは以下記事の特典としてダウンロードも可能です。
苦手分野対策のコツ
苦手分野を対策するときには2つのポイントがあります。
- スキマ時間を活用する
- 苦手分野は1つずつ取り組む
苦手分野の対策はスキマ時間を使った勉強に適しています。
必要な道具が少ないため、どこでも勉強できるからです。
ノートや筆記具はいりませんし、テキストや問題集は切り離して使えるタイプが多いです。
アプリもスマホがあればいいので、電車の移動中もできますし、気分転換に公園などでも勉強できます。
ボクも晴れた日は公園や河原でよく勉強していました。
苦手分野対策をするときは、1つの分野に集中的に取り組むことをオススメします。
1つの苦手分野に集中的に取り組むことで、出題のクセや問われているポイントが見えてきて、理解が進むからです。
苦手分野がたくさんある場合は並行して進めたくなるかもしれませんが、1つずつ対策して着実に知識を定着させていきましょう。
宅建独学勉強法④:基礎知識の総復習
ボク自身は過去問が大切ということを信じていたので、試験前の最後の2週間は基礎の復習で締めくくりました。
やることは分野別過去問題集で、取り組む流れは大きく変わりません。
- 問題を解く
- 解答を読んで疑問点をテキストで解消する
- 知識の定着を確認する
知識が定着しているかの確認と最終チェック用の資料を作る感覚で取り組むといいですね。
基礎作りや苦手対策を行う際に選択肢にランクを付けていると思いますが、この時点ではほとんどの選択肢がAかBに振り分けられていると思います。
ボクはこの時点でCランクの選択肢もありましたが、Cランクは力技で暗記していました。
特に覚えられなかった選択肢は付箋を貼り、試験当日も重点的にチェックして本番に臨みました。
宅建試験の当日までに必要な準備は?合格者が気をつけたことを紹介!宅建を独学で勉強するときに知っておくといいこと
ボク自身が宅建を独学合格したいま、これから勉強する方に知っておいていただきたいことが3つあります。
- 合格を目指せる状態を知る
- 模試で自分のレベルを確認しよう
- 予想問題は余力があれば取り組む
宅建合格を目指せる状態を知る
勉強に取り組む前に、まずは宅建を合格できる状態を知っておきましょう。
どこを目指して走ればよいのかが分かっていないと、目的地から外れた方向に全力で走ってしまう可能性があります。
また、いつまで走ればいいのかも分かっていないとゴールのないマラソンを走るようなものです。
こんな状況にならないためにも、まずはゴールを知っておきましょう。
肝心のゴール(合格を目指せる状態)ですが、目指していただきたいのは「年度別過去問題集12年分の選択肢1つ1つに理由をつけて即答できる状態」です。
よく「過去問を繰り返そう」「最低3周はやろう」と言われますが、過去問を3周するにしても、目的意識があるかどうかで勉強の質が変わってきます。
合格を本気で目指すのであればゴール(年度別過去問題集12年分の選択肢1つ1つに理由も合わせて即答できる状態)を意識しながら勉強に取り組んでみてください。
模試で自分のレベルを確認する
可能であれば、模試の活用をオススメします。
模試を受けることで自分がいまどれくらいの順位にいるのかが分かるからです。
宅建は受験者の上位15-17%程度の人が合格する試験ですが、あなたの理解度がどの程度なのかが分かれば、必要な勉強ペースも見えてきます。
ボクは9月から勉強ペースをかなり上げたのですが、アクセルを踏めたのは模試によって自分のレベルを確認できたからです。
模試受験日 | 点数 | 合否判定 |
---|---|---|
8/29 | 33/50点 | 合格圏外 受験者のちょうど半分より少し下(51位/100人中)の位置でした |
10/3 | 39/50点 | 合格圏内 上位何%は忘れてしまいましたが |
ちなみに模試は2回受けることをオススメします。
1回目はレベルチェックとして受け、2回目で1回目からのレベルアップを確認することができるからです。
試験と近い臨場感を味わえるのも模試の良いところですので、検討してみてください。
【合格者が解説】宅建を独学する人は模試を受けよう予想問題は余力があれば取り組む
予想問題を解くべきか悩む方がいるかもしれません。
結論としては、過去問を完璧(年度別過去問題集12年分の選択肢1つ1つに理由を持って答えられる状態)にしたうえで余力があれば、予想問題に取り組むことで、より合格する確率を高めることはできるかと思います。
ただ、ボク自身は過去問と模試だけで合格することができましたし、模試もある意味では予想問題と言えるので、必ずしも必要ではないと考えています。
独学での勉強に不安を感じる場合の対処法
ここまで独学での勉強方法をお伝えしてきましたが、それでも講座やスクールの方が合格の確率が高いのではないか?と感じる方もいるかと思います。
実際、勉強当初は分からなすぎて不安を感じることもありました。
しかし、独学でも過去問を繰り返し解いていると、知識も増え自信がついてきます。
時間がある場合は、まず独学で取り組んでみて、やはり不安を感じるという場合にスクールで安心感を買う、というのも1つです。
お金はかかるかもしれませんが、不安を感じながらで勉強するよりは、精神的に健全な状態で勉強できます。
【宅建】独学かスクールか【迷ったら読んでみてください】まとめ:宅建の独学勉強は過去問を使い倒そう
この記事では、宅建の独学勉強方法について、以下のことをお伝えしてきました。
- 宅建の独学勉強方法
- 宅建独学者に知っておいてほしいこと
- 独学での勉強に不安を感じる場合の対処法
宅建は過去問を徹底的に使って勉強することで独学で十分に合格を狙えます。
勉強方法はさまざまありますが、1つの例として参考にしていただき、少しでも宅建の独学勉強のお役に立てたら幸いです。
また、勉強方法は分かったけど、どんなスケジュールで取り組んでいったらよいかイメージが付かない場合はスケジュールの計画方法も紹介しているので参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!